学芸会の馴れ合い “VTuberのQ”
責任者不在、無秩序のQ。
パズルゲーム感想アーカイブ
責任者不在、無秩序のQ。
月の裏側は醜いものだった。
ほら喜べよパズルの奴隷、犠牲の果てにパズルが出来上がったぞ。
泳げるのに穴をくぐれない猫。塀からは降りられるのに小屋の上からは降りられない猫。他所宅へ堂々侵入するのに人の肩に飛び乗る勇気はない猫。
奇妙な猫。皆同じ猫。
火の番の奴隷ならば長続きするものを……。
私はパズルの奴隷で、しかも短気である。続くわけがない。
タイトル画面の供花、ヤマユリの美しさと、その後求められる入力内容への感情の高まりがピークだった。
無資格建築士のロックアウト。
悪化した就労環境と易化した案件の数々は今のマヌケにはまさしく役不足である。
なんでもできそうなのに、やりたいことだけができない。
帰路は覚えていないが今は間違いなく家にいるのだからめでたしめでたし……本当に?
別に誰も気にしない。触れたとて災いが降りかかるわけでもない。重大な陰謀が眠っているわけでもない。
なら一体どうして私は戦慄しているのだろう?
長い旅の終着点。
これ以上の泥臭い足掻きはもうやめだ。私は乗り換えない。
3作目にして遂に簡単とは言えなくなってしまったマヌケだが、特徴たるテンポのよさがトレードオフになるならば、それははたして喜ばしいことなのだろうか?
タイトルは主人公の名前であると同時に、英単語 “cartograph” に由来している。
“map” と比較すると地図作成のプロセスに重点が置かれた単語だが、その曖昧さはこのゲームの長所であり、同時に短所でもあった。
あらゆることが疑わしくて、あらゆる理由で心が折れそうになったパズルだった。最後まで駆け抜けられたのは奇跡に近い。
一つの疑念がマヌケの手を止めたように、一つの希望がマヌケに考える力を与えてくれた。ただそれだけが心の拠り所だった。
道は繋がれど話は繋がらない、おとぎ話のような何か。
彼らはなぜそこにいるのか?彼らはなぜそうしているのか?