めぐりめくって “KAMI”
Kamiのおわします地はもとより依代にあらず。
マスの形状に従って色分けされた領域を塗り潰していきながら盤面を一色に染め上げるパズル。
マヌケはシリーズ作品として “KAMI 2” をプレイ済みであり、それをきっかけに前作を辿るという形でのプレイとなる。
次回作とは異なり、今作の盤面の最小単位は正方形となっているが、たったこれだけで随分と簡単になってしまっている。
三角形は六角形を作ることができ、その分だけ柔軟に隣接をコントロールすることができるが、正方形はどうあがいても上下左右でしか隣接を作ることができず、それがそのまま難易度の低下に繋がっている。
構造的欠陥である以上、いくらレベルデザインを洗練したところでどうしようもないのだが、正方形だけでも最大限にねじれを作ろうとした形跡は窺えなかった。規定手数以下が可能な問題が存在していたことから、構造的な易化だけでなくそもそもブラッシュアップすらも甘い。
ただし、2に至る過程として今作が存在する以上、今作の欠点は同時に次回作の糧として生かされたという事実もまた明確に浮かび上がらせている。
ちなみにマヌケがプレイしたのは3DS版だが、2の本家スマホ版からするとかなり無機質になってしまったという印象が拭えない。パズルにビジュアルは不要という持論が崩れそうになるほどだ。
プラットフォームの違いもあるだろうが、モノトーンの目に悪い柄などがあったりなど、パズルという内側だけでなくUIなどの外側の上でも2は順当に進化を遂げた作品なのだということがわかる。
アンドゥが存在したのは唯一次回作より秀でた点だったが、おそらく移植の際に付け加えられた機能であり、本家には存在していないだろう。でなければ2で実装しない理由がない。
今作は次回作での開花に至る道程を理解するためのゲームでしかなかった。物足りないのも遡ってくれば仕方のないことだろう。